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クラウド・インフラストラクチャの管理を簡単化する標準仕様を発表

クラウド・インフラストラクチャ管理の相互運用性を実現する新たな標準仕様 CIMI v1.0

ポートランド(米国、オレゴン州) –2012年8月29日(現地時間)– IT業界のユーザーおよびベンダーの連携によりクラウドやシステム管理標準の策定・実証・普及・採用に取り組むDistributed Management Task Force, Inc.(DMTF®)は、本日、 Cloud Infrastructure Management Interface (CIMI、クラウド・インフラストラクチャ管理インターフェース)仕様を公開することを発表しました。 この新しい標準仕様は、クラウドに対する操作を標準化することで、複数のサービス・プロバイダーとそのサービス利用者・開発者間で相互運用が可能なクラウド・インフラストラクチャ管理を実現します。その結果、クラウドの利用が簡単になります。

クラウド・コンピューティングにより、顧客はITシステムの効率性、可用性、柔軟性を向上させることができるようになります。そして、企業のユーザーがクラウド・コンピューティングを導入するのに従い、ベンダーは企業が所有するコンピューティング環境とクラウド・サービス間の相互運用性を提供する必要があることを認識しました。DMTFはクラウド・インフラストラクチャを管理するセルフ・サービス・インターフェースとしてCIMIを開発しました。ユーザーはこのハイレベル・インターフェースを用いることで、クラウドの動的プロビジョニング、構成変更、管理が可能になり、システム管理の手間を大幅に簡単化できます。

DMTF会長のウィンストン・バンプスは、次のように述べています。「 CIMIはクラウド・インフラストラクチャ管理にとって非常に重要な標準仕様です。これにより、柔軟性、可搬性、セキュリティを向上させながら複雑性を軽減することができます。DMTFは、クラウド・インフラストラクチャ管理のための広範で業界標準の解決策としてCIMI V1.0を提案します。」

本日の発表は以下の2つに関するものです。:

  • クラウド・インフラストラクチャ管理インターフェース(CIMI)のモデルとHTTPを使ったRESTインターフェース仕様書
  • クラウド・インフラストラクチャ管理インターフェース(CIMI)入門書

 

CIMI仕様はDMTFのクラウド・イニシアチブの中核をなすもので、クラウド管理作業部会(CMWG:Cloud Management Working Group )によって作成された最初の標準仕様です。 DMTFのクラウド・イニシアチブには、クラウド監査データ・フェデレーション作業部会(CADF WG: Cloud Auditing Data Federation Working Group)、ネットワーク・サービス管理作業部会(NSM WG: Network Services Management Working Group)、ソフトウェア・ライセンス管理(SLM: Software License Management)インキュベータ、システム仮想化、パーティショニング、クラスタ作業部会(SVPC WG:System Virtualization, Partitioning, and Clustering Working Group)等も貢献しています。DMTFでは、来年はじめにクラウド関連の作業部会による標準化仕様や関連ドキュメントのさらなる発表を予定しています。

DMTFの作業部会とインキュベーターは、クラウド管理の統一を目指して他の業界団体と協力しています。 それらには、Cloud Security Alliance、China Communications Standards Association、China Electronics Standardization Institute、Open Data Center Alliance、Storage Networking Industry Association、Open Grid Forum、Object Management Group、the Open Group、the Metro Ethernet Forum、the Global Inter-Cloud Technology Forum、 TeleManagement Forumが含まれます。

仕様、ホワイトペーパー、設立趣意書を含むDMTFのクラウド関連の情報については、 www.dmtf.org/jp/technology/cloud をご参照ください。

CIMIを支持する業界関係者からのエンドースメント

ブロードコムのサーバー・アンド・ストレージ・ストラテジー担当バイスプレジデントであるグレッグ・シェーラーは次のように述べています。「ネットワーキングと、急成長するクラウド市場のリーダーとして、ブロードコムはクラウド・インフラストラクチャの管理を簡単化するCIMI標準の公開を喜ばしく思います。CIMIはユーザーが、安全で信頼できる方式でクラウド・インフラストラクチャを容易に管理する事を可能にします。ブロードコムは、CIMIを始めとするオープンな標準をサポートすること、そしてその発展に最大限の努力を払っています。

CA テクノロジーのインダストリー・スタンダーズ・アンド・オープンソース担当バイスプレジデントであるポール・リプトン は次のように述べています。「DMTF はクラウド基盤管理を簡易化するための重要な新しい標準を開発しました。CIMIは、多岐にわたるクラウド基盤管理の相互運用性を大きく高めるでしょう。これは、事業者や顧客が安心して利用できるクラウド管理標準の開発にむけた、重要な成果です。」

Citrix社のクラウドプラットフォームグループの最高技術責任者(CTO)であるシェン・リャンは次のように述べています。「Citrixはオープン性を強く支持しており、お客様が自社のITインフラストラクチャを高い相互運用性とセキュリティを備えた形で運用管理できるように支援するため、 DMTFの標準プロセスに参画しています。業界をリードする仮想化とクラウドのプラットフォームベンダーであるCitrixは、クラウド標準の開発における主要メンバーとしてDMTFに貢献してきました。クラウドインキュベーターの初期からの提唱者として、またクラウド標準作業部会の主要メンバーとして、CitrixはCIMI標準が発表されたことを大いに歓迎するとともに、CIMIの実装をApache CloudStack プロジェクトとCitrix CloudPlatformに含めることを提案します。」

富士通株式会社の 執行役員 計画本部長 上原 三八は次のように述べています。「富士通は、当社のお客様にご利用いただいているクラウド・サービスや製品の経験をもとに、新しいDMTF標準の策定に貢献できたことをうれしく思います。これは様々なクラウド・サービスや製品を、一つの標準インターフェースで管理できるようにする、次世代のクラウド・コンピューティング環境に向けた大きな前進であると考えます。私たちはマルチベンダのクラウド環境を実現するために、私たちの経験や実装のフィードバックを提供することで、今後のエンハンスメントにおいてもCIMIを継続してサポートしていきたいと考えています。」

ファーウェイ(華為技術)のクラウド管理/標準化担当のチーフ・アーキテクトであるジェフリー・ウィーラーは次のように述べています。「ファーウェイは、クラウド基盤の管理を簡単化する新たな標準仕様の開発に貢献できたことを誇りに思っています。CIMIによって我々の顧客にとって、クラウド利用の管理が容易になると同時に、可搬性とセキュリティを向上させることができるようになります。これからも標準仕様の開発に貢献していくとともに、将来の製品でCIMIをサポートしていきたいと考えています。」

HPのHP Software事業部のクラウド・オートメーション製品部門のR&D担当バイスプレジデントであるジェローム・ラバは次のように述べています。 「HPがクラウド・インフラストラクチャ管理を簡素化する新しい標準の策定に貢献できたことを非常に誇らしく感じています。私たちのCIMI への貢献により、可搬性とセキュリティを改善しながら、お客様がクラウド環境の利用をより容易に管理するために、この標準は役に立つことでしょう。」

IBMのソフトウェア標準担当バイスプレジデントであるエンジェル・ディアスは、次のように述べています。「DMTF CIMI 仕様が提供された事は、相互運用可能なクラウド・ソリューションの標準化への大きな一歩です。ベンダー、顧客、そして Cloud Standards Customer Council の様なコンソーシアムが協力して、CIMI の様なオープン・スタンダードが策定されると、クラウド利用者は、より高い相互運用性と可搬性を実現できます。これは、低コストで、より短期間での実装、そして、より大きなイノベーションに繋がるでしょう。」

マイクロソフト コーポレーションのパートナーグループマネージャーであるポール・コットンは、次のように述べています。「マイクロソフトは、共通情報モデルや、オープン仮想化フォーマットといったDMTFの実績ある標準仕様に基づいた、クラウド・インフラストラクチャ管理の標準化に貢献できたことを喜ばしく思います。」

オラクル・コーポレーションの プロダクト・ストラテジー&ビジネス ディベロップメント 担当バイスプレジデントであるスシル・クマールは次のように述べています。「オラクルはオープンな標準規格に長年にわたって取り組み、クラウド・サービスとプラットフォームの主要プロバイダとして、クラウド・コンピューティングのためのオープンな標準規格に基づくソリューションを強力に支援してきました。 オラクルは「Oracle Cloud API」の提供と、CIMI仕様の共同編集者としての取り組みの双方を通じ、クラウド・インフラストラクチャの管理をシンプルにした新しい標準の開発に関して主要な役割を担ったことを誇りに思っています。」

レッドハットの主席ソフトウェアエンジニアで、DMTF理事も務めるデイビッド・ルッターコートは次のように述べています。「レッドハットはDMTFでのクラウド・インフラストラクチャの新しい標準規格の策定で主要な役割を担ったことを誇りに思います。CIMIは単一の標準インタフェースを介してクラウドの利用をより簡単に管理する機会を顧客に提供します。Apache Deltacloud に含まれるCIMIの実装は、CIMIが実用的であることの証です。我々は引き続きCIMI標準化と、さらなる将来の発展に関して協力と貢献をしたいと思っています。」

SunGard Availability Servicesの主席エンジニアであるチップ・チルダーは、次のように述べています。「企業が管理が容易でセキュアな企業利用に適したクラウド・インフラストラクチャを持つことを支援することは、SunGard Availability Servicesが最も注目している点です。CIMI仕様を採用することは、本番クラウド環境間での相互運用可能な管理を可能にするでしょう。我々は、異なるエンタープライズ・クラウド間での管理と互換性をさらに簡単化するために、新しい標準が重要な前進であると理解しています。」

VMware Inc.の最高技術責任者(CTO)であるスティーブン・ハロッドは、次のように述べています。「新しいDMTFクラウド・インフラストラクチャ管理インターフェース(CIMI)の標準規格は、クラウド間の相互運用性と可搬性の実現に向けた次の一歩となるものです。最終的な目標は、顧客が最も効率的かつ安全にアプリケーションを稼働させられる選択肢を提供することであり、これは自社データセンター内のプライベート クラウドや、外部のクラウドプロバイダーが提供するクラウド内でもあてはまるでしょう。OVF(Open Virtualization Format)の完全なサポートを備え、我々はこの目標に向けた一歩を踏み出すとともに、このオープン クラウド コンピューティングのビジョンを実現するその他の重要な標準規格の開発とサポートに向けて、パートナとの協業にさらに注力して参ります」

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DMTFについて

DMTFは、世界中の膨大な数のITシステムの管理効率を向上させるために、ユーザーおよびベンダーが連携し、システム管理標準の開発・実証・普及を進めています。当団体は、160のメンバー企業・組織で業界をカバーしており、43カ国の4000人以上が積極的に参加しています。DMTF理事会は、業界をリードする企業17社が運営しています。理事会企業は、Advanced Micro Devices (AMD), Broadcom Corporation, CA Technologies, Cisco, Citrix Systems, Inc., EMC, 富士通, HP, Huawei, IBM, Intel Corporation, Microsoft Corporation, NetApp, Oracle, Red Hat, SunGard Availability Services, VMware, Incです。DMTFはこのように幅広い業界とのつながりを活用して、相互運用可能なシステム管理を実現する標準を策定しています。DMTFの管理標準 は、複数のベンダーから提供されるシステム、ツール、ソリューションの相互運用性を実現するために欠かせません。DMTFの技術と活動に関する情報については、http://www.dmtf.org/jpをご覧ください。

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